2009年11月30日月曜日

河井荃廬 北魏風楷書印(模写)2

 これも荃廬が三井高堅のために刻したもの。


 「聴」の「耳」は前回の印のように「耳」+「ン」に作る他、「身」のように作ることもある。
 
 「氷」は「ン」+「水」の形が小篆に近い。「氷」は「ン」と「水」の第二画が合わさってできた形。

 「鑑」は隷書以来、「金」が下にくる形が併用された。

 
 「鑑蔵」とは鑑定し収蔵するという意味。明の大学士王鍪(ぼう)に「震沢王氏鑑蔵書印」があり、清では西泠八家のひとり黄易が、翁方綱のために刻した「覃谿鑑蔵」が有名である。翁氏がこの印を随所に用いて以後、一般に流行するようになったという。
《参考文献》
佐野光一 『収蔵賞鑑印』 東京堂出版 1992

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