2009年7月28日火曜日

曹全碑17


 右行三字目は「芟」(サン・のぞく)。曹全碑では「芟不臣」(不臣を芟く)の用例がある。
 前回と今回は左右の払いの練習。右行の三字と左行一字目の左払いは、筆画の中ほどで進行方向が縦から横に変わり、それと同時に筆画が細めに書かれる。これにより線がペタッと平板にならず、メリハリが付く。
 しかし、実際書いてみると、力の抜き加減や穂先の状態により、ふらついたり、穂が開いて平板な線になったりして、なかなか難しい。

2009年7月26日日曜日

百福印8

 白文の古璽風に。

 白文の古璽では、内側に輪郭をめぐらすものが多い。その結果、自由奔放な古璽文字が引き締められ、印としてのまとまりが良くなる。

2009年7月24日金曜日

曹全碑16

 久々の曹全碑。
 右行二字目は「舎」。隷書では中心部を「エ」に作ることがある。左行一字目は「本」。「大」→「十」のような順序で書く。

2009年7月18日土曜日

一年

 ブログ開設から一年になる。手習いの記録を残そうと思って始めたことだが、なにぶん飽きっぽい性分ゆえ、ここまで続くとは思わなかった。
 
 
 師につかず、展覧会にもかかわらず独学で書を学んでいるため、好きなときに、好きなものを、好きなだけ書ける自由はある。しかし、せっかく手習いをするのだから、少しでもうまくなりたいという欲求もある。そのためには日々のたゆまぬ稽古しかない。
 
 とはいえ独習者であるから、尻をたたく師匠もいなければ、奮起を促す展覧会入賞という好餌もない。好きなこととはいえ、怠け心も出てくる。そこで、日々の手習いをブログにアップすることを目標にし、お習字を習慣化しようとしたのだ。
 
 しかし、自分の書いたものを人目にさらすにはなかなか勇気がいり、苦手な書体はアップを断念したことも多かった。ブログの内容(書体)にかたよりがあるのはそのためだ。
 これからは、出来に多少の不満があっても、なるべくアップし、五体まんべんなくアップするよう心がけたい。

 
 画像は呉大澂『篆文論語』の臨書。よく知られた冒頭の一節、「学而時習之」(学びて時に之を習う)である。自戒をこめて書いてみた。
 

2009年7月17日金曜日

はかま近作五種


 最近刻した印に、はかまをつけてみた。
 
 はかまは印面を保護するキャップであるから、抜け落ちないようピッタリしたものを作るのが肝要だが、これがなかなか難しい。内側の芯紙をグルッと巻くときに緩まないよう気をつけなければならない。しかし、なにぶん細かい作業なので思うように指が動かず難儀する。
 

2009年7月6日月曜日

百福印7

 前回同様、装飾的な漢私印の様式で。

2009年7月5日日曜日

百福印6

 古璽風が続いたので、ちょっと目先をかえて漢代私印の装飾的な作風で。

 古璽ほど多種多様ではないが、漢印にも、こんなちょっと変わった調子のものがある。いささか作り物めいた感もないではないが、たまにやってみるのも面白いかと思い試みた。

2009年7月4日土曜日

百福印5


 円形の古璽では、文字の縦画を内側に傾けさせたり、やや湾曲させたりして、円い輪郭と文字が調和するよう工夫されている。
 この印でも縦画を微妙に内側に傾けさせてみたのだが、うまくいっただろうか。古璽の自由闊達さには程遠い・・・
 前回(4)と今回、印材は寿山石を使った。一個百円の安物で硬い材だ。しかし、細い線を刻すのには向いてるようだ。

2009年7月3日金曜日

百福印4

 まるで西洋の盾みたいな形だが、実は古璽にこの形があり、それに倣ってみたのだ。
 
 古璽の形は方形円形の他、菱形や方円を組み合わせたもの、果てはハート形までありバラエティに富んでいて楽しい。

2009年7月1日水曜日

百福印3

 金文を用いて古璽風に。

 殷周の金文は筆画がもう少し太めなのだが、辺縁が太く、文字の線が細い古璽風を狙ったため、この細さとなった。
 ちなみに古璽の「福」は金文の形とはかなり異なる。いずれ、そちらの形でも試みてみたい。