2009年5月22日金曜日

肖形印「魚鳥」(模刻)


 『十鐘山房印挙』所収。2羽の水禽と1匹の魚を刻したもの。
 
 『中国古代の肖形印』(王伯敏著・中野遵訳 東方書店1985)では、漢代の石刻には2羽の(1羽の場合もある)鷺が1匹の魚を食べている図像があり、「鷺」「食」「魚」の仮借音はそれぞれ「多」「十」「余」であり、続けて「一多十余」と読み、意味は「多く有り余り有り大吉大利である」ことで、この類の魚鳥印は吉祥を願った印の一種であると結論づけている。
 
 『十鐘山房印挙』所収の諸印は鳥が2羽のものが多いが1羽の例もある。

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